【第2章】An Introduction to Molecular Evolution and Phylogenetics -By Lindell Bromham-
分子生物学の教科書(Oxford出版 An Introduction to Molecular Evolution and Phylogenetics -By Lindell Bromham-)の第2章の内容のまとめです。
全体の流れ:歴史→セントラルドグマ→DNA抽出→まとめ→おまけ
32ページから:Material basis of heredity 遺伝の物質的ベース
―Unity of life―
DNA,RNA,タンパク質からなる機構は全ての生物が保持している
・RNAポリメラーゼは全ての生物が保持
ポリメラーゼにはサブユニットが沢山
RNAポリメラーゼⅡβサブユニットの例だと、ほとんど塩基配列が保持されていることが分かる
分子生物学を学ぶことについて
①生物の複雑性を理解するに重要
②突然変異が蓄積され、生物種が分岐し、多様性に繋がる。
ゲノムシステムの発見の歴史について
・不変の事実だけでなく、どうやって積み重なってきたのかというプロセスの科学を知ることも重要
・進化生物学などの応用にどうして使えるのかを理解することが出来る
遺伝の原理
昔から、親の顔に子は似るというのは認識されていた。一方、自然発生的に出て着るように見える現象もある。
様々な仮説:
○ピエールルイソレイモーペルチェイ…1745 未だ遺伝子が分からない。そんな中体から粒子が出来て、粒子から子供が出来るということを示唆。これはパンジェネシスと呼ばれる。ダーウィンより前にこの論を唱えた。
○ダーウィン…自然界における多くの生物の遺伝について認識していた。体内の全ての細胞が、ジェム―ルという遺伝因子を仮説。受精の前にジェム―ルが 先天的だけでなく、後天的な特徴があることも示唆した。ダーウィンの同世代からは批判を受けた。特に統計学者ゴルトンによって「輸血によって遺伝情報が導入されることはないじゃないか」という指摘。種の期限が出版されてから20年たっても遺伝因子がみつかっていなかった。
○ワイズマン…遺伝情報が マウスのしっぽが無いまま交配させて、その子孫にしっぽが生えてくるか来ないか。これは後天的な性質が受け継がれるのかどうかという実験を21世代行った。生殖細胞の連続性、生殖細胞と体細胞の分離について定説を述べ、この理論は現在の発生生物学の認識に繋がっている。不老不死な生殖細胞についても実験も行っていた。
→ここまで、遺伝物質が分かるまで、理論的にどのように議論なされていたのかを述べた。
―因子の存在を膨大な実験結果から推定―
○メンデル…チェコの修道院における教師兼研究者。エンドウの大規模な実験。何万もの事例を用いた。遺伝の問題に統計的な手法を適用したことで先駆的だった。特徴が保存されていることが分かった。ビッグデータ解析から新しい理論を発見することにつなげた先駆者ともいえる。因子は推定されたが、物質としてどんなものか、どこにあるのかは分からなかった。そこで、染色体が、メンデルの唱える分離等の遺伝的な動きと一致することから、遺伝物質を持っていることが分かったが、その中でもタンパク質とDNAどちらが遺伝物質かは分からなかった。
○ミーシャ―…核の中のリンが多く集まる部分をヌクリンと呼び、時々リンが凝集することを見出した。ヌクリンはDNAであることが分かった。DNAはリン酸糖塩基を含むものであることが後に分かる。しかし、当時DNAについて研究することは盛んではなくタンパク質についての研究が主だった。なぜならDNAはA,T,G,Cの4文字だが、タンパク質は20種類以上であるため。でも、どうやってコピーされるのかは分かっていなかった。
○エイブリン…酵素を使ってタンパク質や、RNAを取り除くと、遺伝の現象が見られた。
○ハーシーとチェース…ファージは大腸菌にゲノムを注入し、大腸菌内の遺伝
○ワトソンとクリック…DNAの分子機構を解明
RNAポリメラーゼⅡβサブユニットは4番染色体上の3525塩基のPRB2が転写翻訳される必要がある。
セントラルドグマらへんは有名だから飛ばし。
DNA抽出
DNAは相補的に複製されていくので、世代を経て受け継がれていく。体に生じた変化えお個人のDNAに書き戻すことは出来ないというのは、ワイズマンの実験や、セントラルドグマの特徴からも分かる。
今までは、遺伝情報を世代間で受け渡すDNAに注目してきた。また、このDNAは体のほとんどすべての細胞に存在。DNAの抽出は新鮮なサンプルからなされる。通常は少しだけで可能。でも、動物とかだと死んでしまうことを考慮しないとね。植物だとサンプルをとっても生き残ってるけど。
抽出のステップ
①細胞の破壊
②DNAを酵素による破壊から守る
③DNAを他の物質から精製する
食虫植物は、DNAの増幅を妨げるフェノール系の色素や多糖類を粘液として持っている為、これらの点を考慮しないと、この植物からのDNA抽出が上手くいかない。
ワイズマンについて
子供のころは昆虫採集が大好きで、蝶が好きだった。私立の学校へ進学。
1863年までは医者だったが、研究に戻り、1800年代後半に研究を行っていた。体細胞から生殖細胞を分離した研究がメイン。体細胞に起こる変異と、生殖細胞に起こる変異の意味の違いや、後天的な性質が遺伝しないことの発見も重要であった。
DNA抽出について
①細胞の破壊
植物←液体窒素にいれて、ぺスチルなどで壊す。プロテナーゼK
②ヌクレアーゼの不活性化
DNA分解するデオキシリボヌクレアーゼは殆どのサンプルが保持しているため、この酵素を不活性化する必要がある。
③DNAの精製
資質や多糖類なども含まれている為、フェノールクロロフォルムエクスとラクションや遠心分離にかけて精製を行う。
家でDNA抽出を行うことも出来るよ
洗剤で抽出して、コンタクトレンズのすすぎ液でデオキシリボヌクレアーゼを破壊するといいよー
古代DNA
劣化したサンプルはどのように行ったらいいのか。時間の経過とともにDNAは劣化していく。腐敗して配列に変化が起こったりもする。ただ、バクテリアなどの方が新しく、DNAが豊富にあるので、目的のDNAを抽出するのが難しい。
DNA抽出の研究
・環境DNAの研究…北極の食性について調べたい。植物の多様性については、土壌に堆積した花粉について調べることが主であった。しかし、多く花粉を出す植物の研究ばかりであった。そこで、植物DNA痕跡を環境DNAでの解析から発見する。なぜなら分解能が高いから。
・堆積物中のDNAは様々なものに由来している。そのため、ある時点での生物相のスナップショットである。
MOTU:モルキュラーOUT
OTU…Operational taxonomic unit
OTUとは、ある一定以上の類似性(一般的には96-97%)を持つ配列同士を一つの菌種のように扱うための操作上の分類単位です。従って、OTU数は菌叢を構成する菌種の数を表し、同一のOTUに属するリードの数はその種の相対的な存在量を表していると考えられます。また、各OTUに属するリード数の中から代表的な配列を選び、データベース検索により属種名の同定が可能です。
独立行政法人製品評価技術基盤機構より(https://www.nite.go.jp/nbrc/safety/ecosystem.html)